BLACK TALKー検証・日垣隆×有田芳生「何でも話して野郎」

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・猪瀬直樹の実像について、コラムニストの小田嶋隆氏と水道橋博士氏が数々のエピソードを交えて語り合っているのですが、これがまた興味深いです。

　小田嶋隆「何人かの人に猪瀬さんの評判を聞いてみたが（中略）猪瀬さんほど誰も良く言わない人はあまり知らない。普通は誰か庇うものだが。」水道橋博士「出版界で働いている人を含めて猪瀬さんほど人望のない人はいない。」など、猪瀬の人間性が、業界では徹底的に嫌われていたことが改めて分かります。まさに四面楚歌。これほど人望がないようでは、政治家としても致命的だったでしょう。作家復帰願望もちらつかせていた猪瀬ですが、日垣センセイ同様、もう過去の人として扱うべきかと。

「たまむすび」で語られた「猪瀬直樹伝説」（語り手:水道橋博士＆小田嶋隆） - Togetter

・唐沢俊一の盗用を黙認していたと学会の山本弘氏が、同会会長を辞任し、同会も退会するそうです。

山本弘のSF秘密基地BLOG:【お知らせ】と学会、引退しました

　と学会幹部の唐沢はどうするのでしょうか。今から去就が注目されます。

●日垣隆と有田芳生の対談「何でも話して野郎」

　在特会などへのカウンター、反ヘイトスピーチで活躍中の有田芳生氏*1。しかし、有田氏が日垣センセイを「日垣さんは優しい人だけどなあ。」と擁護するほどの盟友であり*2、日垣センセイが映画評論家・町山智浩さんの出自を中傷したヘイトスピーチ *3に沈黙している事実は、あまり知られていません*4。

　有田氏は日垣センセイが嘘八百とデタラメを書き連ねた足利事件の記事を無邪気に称賛し*5、日垣センセイのデマを半ば鵜呑みにするなど*6、痛々しい限りなのですが……そんな有田氏が、日垣センセイと仲良く対談していたことがあります。2001年11月頃に開催され、月刊誌『本の旅人』（角川書店、2002年1月号）にも載った「何でも話して野郎」です。

　この対談、今読んでみると噴飯ものなのですが、苦笑を堪えつつ、特におかしな点についてツッコミを入れていきたいと思います。

日垣　批判するには最終的に書くかどうかはともかく、自分のやっている方法論を客観的にチェックしていく作業が必要です。例えば最近のアフガン問題についても、背景や歴史を徹底的に調べたうえで、他の人が何を言っているか、メディア全体の発言や表現がどんな傾向にあるか、何が欠けているかくらいはよく検証しておきたい。批判するしないにかかわらずね。“喧嘩好き”に見えるかもしれませんが、そうでもありません。

日垣隆×有田芳生「何でも話して野郎」『本の旅人』（角川書店、2002年1月号）P21

　あはは……これまた虚言、エア取材などの常習犯だった日垣センセイが言うと、物凄く白々しいというか、脱力感を覚えます。日垣センセイはこの頃から「弟を少年事件で殺された！」という嘘八百を声高に吹聴していました*7。代表作『そして殺人者は野に放たれる』からして、支離滅裂なトンデモ本だったからなあ*8。有田氏が絶賛していた上記の足利事件の記事も何を言わんかやです*9。

　上記の日垣発言を受けた有田氏の放言。

有田　（前略）批判するからには根拠をきちんと示すべきです。レッテル張り的な批判は本当の批判じゃありませんね。
　日垣さんは相手の論理の中に入り込んで、内側から突き破る批判を展開します。当然相手の著作は可能なかぎり読んでいる。これは実は相手にとっても喜ぶべきことじゃないかな。そうした批判は当事者にとってプラスに働く力になるんです。日本の論壇では自分の土俵に引きずり込んで批判を並べたてるだけの発言が多いのですが、攻撃としての批判ではなく内在的な批判をするのが大事だと思います。
（中略）
　そうした意味で、日垣さんのように徹底的に取材した材料が、果たして今どれほどあるのかと思います。

日垣隆×有田芳生「何でも話して野郎」『本の旅人』（角川書店、2002年1月号）P21〜22

　これも今となっては実に痛々しいです。日垣センセイがおかしかったのは元からですから。有田氏には、人を見る目がなかったというべきか……。

★参考資料

「何でも話して野郎」（日垣隆，有田芳生座談会） | blog.yuco.net