KAFKAESQUE(日垣隆検証委員会)

主に作家の日垣隆、猪瀬直樹、岩瀬達也、岡田斗司夫、藤井誠二などを検証しているブログです。

痴愚神自讃ー検証・日垣隆『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』(その伍)

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日垣隆による麻木久仁子さんへの誹謗中傷

日垣センセイは、2010年10月〜12月頃にかけて、女優・タレントなどで知られている麻木久仁子さんと大桃美代子さん、ジャーナリスト・APF通信社代表取締役山路徹氏との三角関係を自身のツイッターで暴露し、マスコミ等で大々的に報じられるスキャンダル事件を引き起こしています*1。これはこれで、「アル中*2」だの「クスリ(をやっている)*3」だの麻木さんに対する名誉棄損も甚だしい誹謗中傷なのですが、本書のP178〜180でも麻木さんを攻撃しながら、以下のように語っています。

田丸美寿々は82年に「おはよう!ナイスデイ」の女性MCに抜擢された直後、妻子あるフリージャーナリストとの熱愛が発覚、近年の麻木久仁子山路徹の詐欺的ドロドロ愛の先駆けとなる。田丸(結婚しフジテレビ退社後は美里*4)はすべての番組を降り、その後はアメリカに留学をして見事に返り咲いている。

このあたりは、最初の記者会見で「判例もロクに知らない」辣腕弁護士ーあの弁護士は麻木らが結婚をしていたことを隠していたのか、知らなかったのか。いずれにしてもドジな弁護士先生である。どこが辣腕なのですかねえ。しかも「最高裁判例もあります!」と麻木の左横で辣腕弁護士先生はわめいておられたが、その判決とは、実に38年間(!)にもわたって別居が続いた内実を踏まえ、有責配偶者(婚姻を破綻させた夫の側)に離婚請求を認めた判決であり、今回の大桃*5ー山路のように同居生活すら普通に継続していた場合とは全く異なるーを伴って登場してしまった麻木の浅はかさとは随分カクが違う。

日垣隆電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』(講談社、2011年4月28日第1刷発行)P178〜179


日垣センセイが麻木さんを執拗に罵倒し始めたのは、TBSラジオが『サインエス・サイトーク』(Science Xitalk)*6の打ち切りと前後して、麻木さんによる別のラジオ番組『麻木久仁子のニッポン政策研究所』をスタートさせたことに、何故か激怒したのが発端です。尚、同番組は2010年10月9日の放送開始から2012年9月までは毎週土曜日 5:05 - 5:30に放送されており、放送時間帯が『サイトーク』とは全く異なるため、厳密には次番組ではありません。

さて、日垣センセイが本書で「「判例もロクに知らない」辣腕弁護士ーあの弁護士」「辣腕弁護士先生」と揶揄気味に述べているのは、麻木さんの代理人を務めていた弁護士の弘中惇一郎氏のことです。元々麻木さんの件がスキャンダラスな展開になったのは、当時、大桃美代子さんと婚姻関係にあった山路氏と不倫していたという疑惑があったからです。だが、記者会見で、弘中弁護士は「山路氏と大桃さんの結婚生活は既に破綻していたから、法的には不倫ではない。判例もある」と不倫を否定する趣旨の主張をしていました。最高裁判例の年月日までは明言してないものの、ここで判例として考えられるのは、「不法行為による損害賠償」(民法709条)*7に関する有名な判例「甲の配偶者乙と第三者丙が肉体関係を持った場合において、甲と乙の婚姻関係がその当時既に破綻していたときは、特段の事情のない限り、丙は甲に対して不法行為責任を負わない」(1996(平成8)年3月26日最高裁第3小法廷判決・平成5年(オ)281号)*8です。

ところが、日垣センセイが上記で引っ張ってきた「判決」とは、「基本原則(権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。)」(民法1条2項)*9、「裁判上の離婚」(民法770条)*10に関する全く見当違いの判例(1987(昭和62)年9月2日最高裁大法廷判決・昭和61年(オ)260号。)*11でした。しかも、この判例は「38年間(!)(P179)」の別居が、婚姻破綻の必要条件としているのでなければ、充分条件と断言しているのでもありません。

因みに、これらの判例の原文は、裁判所の公式サイトで事件番号などを入力すれば、検索できます。

引き合いに出す判例の種類はおろか、その判決文まで完全に誤読している凡ミス。日垣センセイこそ「判例もロクに知らない」のでは。


また日垣センセイは本書のP177、P221で「弟の死」を、P233〜234で「ドイツ在住」について、それぞれ語っていますが、それらの検証は下記のリンク先を御参照下さい。

[日垣隆「弟の死」] - KAFKAESQUE(日垣隆検証委員会)

長いヴァルプルギスの夜ー検証・日垣隆「ドイツ留学」の謎 - KAFKAESQUE(日垣隆検証委員会)



★参考資料

Amazonレビュー:「紙の本」への愛情が全く感じられない一冊

日垣隆氏が連続TWEETする「麻木久仁子氏の真実」にネット激震 - Togetter

麻木久仁子に関する日垣隆発言のまとめ - Togetter

日垣隆さんが麻木久仁子さんをdisる - Togetter

大桃美代子&山路徹&麻木久仁子&われらがガッキー: 日垣隆のシャラップ!である

Science Xitalk - Wikipedia

民法第709条 - Wikibooks

民法第1条 - Wikibooks

民法第770条 - Wikibooks

裁判所トップページ

TBS RADIO 954 kHz │ 麻木久仁子のニッポン政策研究所

麻木久仁子のニッポン政策研究所 - Wikipedia

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110111/ent11011100180003-n1.htm

電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。

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痴愚神礼讃 (中公クラシックス)

痴愚神礼讃 (中公クラシックス)

*1:日垣隆氏が連続TWEETする「麻木久仁子氏の真実」にネット激震 - Togetter 麻木久仁子に関する日垣隆発言のまとめ - Togetter 日垣隆さんが麻木久仁子さんをdisる - Togetter

*2:日垣隆(T-Higaki) on Twitter: "タバコはチェーン、5年前からはアル中。RT @6494a6500 ゲエッ!?ほ、本当ですか?。今陽子が、バブル期大阪の末野興産の社長にマンションを買ってもらったことは有名な話ですが。あの真面目そうな麻木久仁子@kunikoasagiが、仲間をミャンマーで死に追いやった男の愛人に。" 日垣隆(T-Higaki) on Twitter: "麻木久仁子さん @kunikoasagi の収入、わずか5年前の15分の1以下だからね。キッチンドリンカーになったのが3年前から。土曜朝5時のTBS赤字番組にも喜んで出る。かつての女王様ぶり、いずこ(笑)。RT @adjudant191313 @hga02104マズイですよね。"

*3:日垣隆(T-Higaki) on Twitter: "麻木さんは正真正銘の中毒。クスリにも…RT @adjudant191313 @hga02104アル中ではないのですかね、助平オヤジは。麻木久仁子さんとの結婚の意思は全くなさそうに私も感じます。のらりくらりとかわしている様な感覚も覚えますね。"

*4:その後、1991年2月に離婚し、現在は田丸姓に戻っている。

*5:女優・タレントの大桃美代子さんのこと。→ 大桃美代子 - Wikipedia

*6:痴愚神自讃ー検証・日垣隆『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』(その四) - KAFKAESQUE(日垣隆検証委員会)

*7:民法第709条 - Wikibooks

*8:「1996(平成8)年3月26日最高裁第3小法廷判決・平成5年(オ)281号」(PDFファイル)

*9:民法第1条 - Wikibooks

*10:民法第770条 - Wikibooks

*11:「1987(昭和62)年9月2日最高裁大法廷判決・昭和61年(オ)260号」(PDFファイル)