KAFKAESQUE(日垣隆検証委員会)

主に作家の日垣隆、猪瀬直樹、岩瀬達也、岡田斗司夫、藤井誠二などを検証しているブログです。

痴愚神自讃ー検証・日垣隆『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』(その六)

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本書のP29〜30から。

私が95年から96年にかけて月刊誌に連載した、『情報の技術ーインターネットを超えて』(朝日新聞社)という本があります。書籍の発売は97年です。その後、文春文庫で『情報系 これがニュースだ』となり、それなりの数が売れました。しばらくして、出版社の都合もあり、絶版扱いになってしまいます。仕方がないですよね。
P29

(略)

そんな本が、絶版のまま読者に届かない状況を座視しているのは、この業界にいる者としてまさしく不届き。私は自らのサイトでPDF化して売ることにしました。

PDF化にかかった費用は1500円程度です。専門業者に依頼しました。サイトで売るPDFの定価は1部1500円に設定したので、1冊売れれば元を取れる計算になります。

しばらくして、売り上げが順調なことを聞いた出版社の方も、我がことのように喜んでくれました。 ところが、「×万部を超えました」と話した瞬間、気まずい沈黙が(笑)。
P30

日垣隆電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』(講談社、2011年4月28日第1刷発行)P29〜30


日垣センセイによると、PDF化して自身の公式サイト『ガッキィファイター』で販売中の『情報の技術ーインターネットを超えて』の売り上げが、「×万部を超えました(P30)」とのことですが……これは事実なのでしょうか。

大前提として、公式サイト『ガッキィファイター』のショッピングカートでは、システムの関係上、一つのPDFは1回の注文で1部のみの注文が限界であり、しかも注文は月1,000件までという制限があります*1。また『情報の技術ーインターネットを超えて』のPDF版の公式サイトでの販売が始まったのは、2010年1月頃です。単純計算しても、本書の発行日の「2011年4月28日」までの販売数は、せいぜい約数千部ではないでしょうか*2

にもかかわらず、日垣センセイは何故、「×万部を超えました」と誤解を招くようなことを言っているのでしょうか。『日刊サイゾー』のインタビュー記事では、「『情報の技術』(97年刊、朝日新聞出版)を最近PDFで配信したところ、10万部以上売れた」という設定にしているのに……*3



★参考資料

日垣問題の記録 ~ 日垣隆 研究報告 ~: 『情報の技術』のPDFは何部売れたのか 『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』(講談社)編

日垣問題の記録 ~ 日垣隆 研究報告 ~: 『情報の技術』のPDFは何部売れたのか 日刊サイゾー編

“知の暴君”日垣隆氏がサイゾーに降臨 Web3.0時代を語る!|日刊サイゾー

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電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。

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