・初めて当エントリーを読まれる方は「日垣問題の記録 〜 日垣隆 研究報告 〜」、「日垣隆(Wikipedia)」、「ガッキィスレまとめサイト@ウィキ」の御一読をおススメします。
・当ブログへの御意見・御感想は、下記のメールアドレスまで御連絡下さい。
kafkaesque1924@gmail.com
本書のP29〜30から。
私が95年から96年にかけて月刊誌に連載した、『情報の技術ーインターネットを超えて』(朝日新聞社)という本があります。書籍の発売は97年です。その後、文春文庫で『情報系 これがニュースだ』となり、それなりの数が売れました。しばらくして、出版社の都合もあり、絶版扱いになってしまいます。仕方がないですよね。
P29(略)
そんな本が、絶版のまま読者に届かない状況を座視しているのは、この業界にいる者としてまさしく不届き。私は自らのサイトでPDF化して売ることにしました。PDF化にかかった費用は1500円程度です。専門業者に依頼しました。サイトで売るPDFの定価は1部1500円に設定したので、1冊売れれば元を取れる計算になります。
しばらくして、売り上げが順調なことを聞いた出版社の方も、我がことのように喜んでくれました。 ところが、「×万部を超えました」と話した瞬間、気まずい沈黙が(笑)。
P30
日垣隆『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』(講談社、2011年4月28日第1刷発行)P29〜30
日垣センセイによると、PDF化して自身の公式サイト『ガッキィファイター』で販売中の『情報の技術ーインターネットを超えて』の売り上げが、「×万部を超えました(P30)」とのことですが……これは事実なのでしょうか。
大前提として、公式サイト『ガッキィファイター』のショッピングカートでは、システムの関係上、一つのPDFは1回の注文で1部のみの注文が限界であり、しかも注文は月1,000件までという制限があります*1。また『情報の技術ーインターネットを超えて』のPDF版の公式サイトでの販売が始まったのは、2010年1月頃です。単純計算しても、本書の発行日の「2011年4月28日」までの販売数は、せいぜい約数千部ではないでしょうか*2。
にもかかわらず、日垣センセイは何故、「×万部を超えました」と誤解を招くようなことを言っているのでしょうか。『日刊サイゾー』のインタビュー記事では、「『情報の技術』(97年刊、朝日新聞出版)を最近PDFで配信したところ、10万部以上売れた」という設定にしているのに……*3。
★参考資料
日垣問題の記録 ~ 日垣隆 研究報告 ~: 『情報の技術』のPDFは何部売れたのか 『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』(講談社)編
日垣問題の記録 ~ 日垣隆 研究報告 ~: 『情報の技術』のPDFは何部売れたのか 日刊サイゾー編
“知の暴君”日垣隆氏がサイゾーに降臨 Web3.0時代を語る!|日刊サイゾー
- 作者: 日垣隆
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/04/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 210回
- この商品を含むブログ (34件) を見る
- 作者: エラスムス,Desiderius Erasmus,渡辺一夫,二宮敬
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 18回
- この商品を含むブログ (21件) を見る