KAFKAESQUE(日垣隆検証委員会)

主に作家の日垣隆、唐沢俊一、猪瀬直樹、岩瀬達也、岡田斗司夫、藤井誠二などを検証しているブログです。

バカとテストと読書術(その四)ー日垣隆『つながる読書術』検証編B

・初めてこのエントリーを読まれる方は「日垣問題の記録」「ガッキィスレまとめサイト@ウィキ」のご一読をおススメします。



●根拠薄弱な発言

前回エントリーからの続き)『つながる読書術』(講談社現代新書)のP46〜47で、日垣センセイは以下のように主張しています。

「ベストセラーなんか絶対に読まない」という人もいますが、私の勝手な調査によると、その多くは硬派なインテリというより、モテそうにない頑迷な人です。かくいう私は食わず嫌いをせず、できるだけベストセラーも読むように努めています。(中略)「世間」を大いに反映しているからベストセラーになっているとも言えます。世の中の流れを把握する意味で、読んでおいて損はないでしょう。
P46〜47

ベストセラーを敬遠しがちなのはモテそうにない人って、これは前後の文脈を踏まえても、読者に対して失礼な発言だなあ。「私の勝手な調査」と断りを入れているけど、エビデンスを何一つ示していないのは相変わらずで。

「僕はベストセラーをおおよそチェックしているから、イケてるんだ!チェックしていない奴は非モテw」という高慢ちきな見解ですが、日垣センセイは舌の根も乾かないうちにこう発言しています。

最も役に立つ本の推薦は、自分のパートナーや友人など、身近な人の意見です。会ったこともない大勢の人がほめる本が、自分にとってのベターとは限りません。書評やベストセラーなど、“知らない人の物差し”を利用する前に、身近なつながりを見直しましょう。
P48

あの……日垣センセイ、ベストセラーはそれ程アテにならないって、何を言っているのですか。これでは読者が混乱するだけでは?

またP48では、上記の引用文(最も役に立つ〜)の前節において、日垣センセイはこう断言しています。

本を選ぶ際、ネット書店を利用する人が参考にするのはレビューでしょう。その本を読んだ「誰か」の声を参考にしているわけですが、アマゾンの星などは気にしないことです。敢えて判断材料にするとしたら、★がレベル5と1に分かれているものに読むべき本が多いとは断言できます。★一つは、まず「嫉妬」のマーキングと思って間違いありません(笑)。
P48

Amazonレビューでの★一つの評価が嫉妬のマーキング……?

日垣センセイはfacebookでも、ほぼ同様のpost*1 *2をしていましたが……、成程、論敵(?)の町山智浩さんの著作に対してAmazonでわざわざ★一つのレビューを投稿したり中傷のタグを付けたりするなどの実に大人げない日垣センセイによる嫌がらせも、全ては町山さんへの「嫉妬」のマーキングだったのですね。

或いは、日垣センセイの著作の虚妄ぶりを暴いているAmazonレビュアー【懸垂百回】さんのレビューを意識しているのかな。

いずれにせよ、日垣センセイ、自分で自分の言動を図らずも「証明」しているのだから、思わずこちらが笑ってしまいます。



さらにP234では、日本の社会人(30歳〜49歳)の読書時間について、下記の分析を述べています。

30歳から49歳までの社会人が読書(自主的な学習や研究)に使っている時間は7分半ほどでしかありません(総務省統計局調査)。
P234

日垣センセイ……これでは「最大」か「最少」か、はたまた「平均」なのか、そもそも「一日7分半」か「一週間7分半」なのかさえ分かりにくいです。単位がハッキリしていませんよ。というか、出典元も不明確で、「総務省統計局」のどのデータに基づいているかが曖昧です。総務省統計局サイドも「統計データを引用・転載する場合には、出典(府省名、統計調査名)の表記をお願いします。」と呼びかけているのですが……。


恐らく、これは総務省がほぼ5年半ごとに実施している「社会生活基本調査」の刊行時点での最新発表版(平成18年度)のデータに基づいているのでしょうが(現時点でも平成23年度の調査結果は未発表なため)。

日垣センセイの年齢区分が不明(元のデータは、25〜34, 35〜44, 45〜54歳で区分されている)のため、有業者で主に仕事をしている人を社会人として最大及び最小を見積もっても、124〜176分/週 =17.7〜25.1分/日にしかならないのだけど。

総務省統計局の調査によると、30歳から49歳までの社会人が読書に使っている時間は7分半しかないんです!」という日垣センセイの分析は、結局、何だったのでしょか?また「私の勝手な調査」!?

今回はここで終了です。次回以降も検証は続きます。



★参考資料

Amazonカスタマーレビュー「蟷螂が蝶に空の飛び方を教えるが如し」

Amazonレビュークチコミ:「嫉妬で貶すのは止めよう!」?

Amazonレビュークチコミ:2年の歳月を費やした新刊

『日垣問題の記録』アーサー⇔トキワ荘Amazonレビュー事件

『日垣問題の記録』トキワ荘⇛懸垂二百回 Amazonタグ・コメント追加事件

つながる読書術 (講談社現代新書)

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