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「ガッキィハンター 日垣隆検証本vol.1『そして殺人者は野に放たれる』の大研究 増補改訂版」
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・当ブログへの御意見・御感想は、下記のメールアドレスまで御連絡下さい。日垣センセイの学生時代など、情報提供もお待ちしております。情報源の秘密は厳守します。また、貴重な情報をお知らせいただいた方には、謝礼も検討していますので、宜しくお願いします。
kafkaesque1924@gmail.com
※2016/5/1追記:エントリーを一部更新しました。
●伝説が終わり、歴史が始まる……?
幣サークル「カフカールナ!」での同人誌活動も一段落し、当ブログでの日垣センセイの検証も節目を迎えつつあります。まだやり残している大きな課題はありますが、それらを片付けたら、正式に終了する予定です。
最近、「検証が滞っているのではないですか?」という声がちらほら寄せられていますが、さぼっているというか、僕(当ブログ管理人)のモチベーションが思うように上がらないのが要因です。日垣センセイが表舞台から消え去り、完全に過去の人となった今、張り合いが無くなりつつあるのは事実です。もし日垣センセイがベストセラーを連発し、多数の媒体で連載を抱え、マスコミでも引っ張りだこの売れっ子であれば、こちらもアドレナリンが出るのですが……何分、イマイチ燃える要素がありません。不完全燃焼が続いているのが現状です。
翻って、今回は日垣センセイの個人史を、幾つかの時期に区切って時系列に論評していきます。人に歴史あり、と言いますが、こうして書き出すことで、全体像が新たに見えてくる可能性もあります。著作はおろか人生そのものが欺瞞と虚飾に満ちた「山師」だったという厳然たる事実に改めて驚かされます。日垣センセイの「栄光」と「転落」の半生記です。
※第1部 黎明篇(1958年〜1976年)
1958年7月30日、長野県長野市にて、日垣センセイは数学の高校教員だった父・日垣秀雄と、母・日垣寿三子の次男として誕生しました。三つ年上の姉、二つ年上の兄がおり、後に二つ年下の弟・明さんが生まれます。クリスチャンだった父親の意向からか、カトリックの幼児洗礼を受け、18歳頃まで信仰を維持します。幼少期から早熟にして才気煥発だった日垣センセイは、地元の小学校、市立北部中学校を経て、名門・長野県長野高等学校を卒業します。
一見、順風満帆な日垣センセイの青春時代ですが、私生活では波乱含みでした。中学3年生の時、同じ学校に通う中学1年生の弟・明さんが学校事故のため、13歳の若さで不慮の死を遂げました。この不幸が、その後の日垣家に暗い影を落とします。日垣センセイのお兄さんは、弟さんの事故死のショックで統合失調症を患い、現在も入院中という情報もありますが、こればかりは日垣センセイの自己申告のみなので、真偽は不明です。弟さんの死は、事件性など一切無く、純然たる事故死だったのですが、後年、日垣センセイはロス疑惑の三浦和義さながらに、自らを「悲劇の主人公」として売り込むために最大限利用するようになります(詳細は後述)。
※第2部 野望篇(1977年〜1987年)
1977年、日垣センセイは東北大学法学部に一発合格し、入学します。組合活動をしていた父親の影響もあってか、在学中はマルクス主義に傾倒。カトリックの信仰を棄て、日本共産党に入党し、全学部の自治会総委員長もしていました。そのため、講義に出たことは皆無に近く、生協活動は殆どせず、後輩の田中耕一氏(ノーベル化学賞受賞)との接点もありませんでした。この頃から、学校事故で不慮の死を遂げた弟さんの死因について「弟はいじめにあって、自殺した」と周囲に嘘八百を吹聴していました。一方、学生結婚して家庭を築くなど、公私共に充実した学生時代だったようです。
大学卒業後(?)、1983年7月頃までは東北大学の大学生協に勤務し*1、その後、書店員、トラック配送員など職を転々しますが、いずれも長続きしません。1985年、日垣センセイは銀河書房という地元・長野県長野市の従業員15人ほどの小さな出版社に入社。営業兼出庫兼編集担当として、こだまの会『保健室からのメッセージ』(1985年12月15日第1刷発行)、山根昌子『遥かなる旅 戦後史の谷間から』(銀河書房、昭和61年8月10日初版第1刷発行)などの編集を担当しますが、同社も僅か1年で退社。3度目の失業の身になった後、一念発起してか、岩波書店の入社試験を受けて転職を図るも、不合格に終わります。
日垣センセイにとって最初の大きな「挫折」が、岩波書店の入社試験に落ちてしまったことでしょう。実際、妻子を抱えて途方に暮れていたらしいです。
しかし、捨てる神あれば拾う神ありで、失業手当をもらいながら、1987年、地元紙・信濃毎日新聞に勤務する友人の勧めで、同紙夕刊の読者投稿欄「わたしの読後感」に書評を投稿し始めたところ、好評を博します。これが転機になって、日垣センセイの元に信濃毎日新聞からライターとしての仕事が正式に舞い込むようになります。これを受け、日垣センセイは岩波書店の編集者になる夢を捨て、ライターデビューを考えるようになります。当時の日垣センセイの肩書は「自由業」でしたが、転んでもただでは起きないと言いますか。
まあ、当時はバブル経済の全盛期で新聞も広告収入が増え、記事を書く人員が不足しがちだったようですから、日垣センセイにも声が掛かったのでしょう。新聞社からライターとしての仕事の依頼が来たのは、運も味方したということになります。
※第3部 雌伏篇(1988年〜1998年)
1988年、日垣センセイは処女作『されど、わが祖国 中国残留帰国者物語』(信濃毎日新聞社、昭和六十三年八月五日)を刊行。長野県長野市在住の新進気鋭のライターとして活動を始めます。1990年には、かつて自分を入社試験で落とした岩波書店に売り込みを掛け続けた結果、月刊誌『世界』(1990年10月号)に「閉ざされた回路ー神戸「校門圧死」事件の深層」のルポが掲載されます。これを機にそれまで長野のご当地ライターだった日垣センセイは、中央のジャーナリズム・出版界からも注目されるようになり、ポツポツと仕事の依頼が来るようになります。1991年には地元・長野県の信越放送(SBC)のドキュメンタリー番組「裁きのはてに〜BC級戦犯・遺された者たちの今」の制作に関わります。後に同番組はJNN協議会賞・奨励賞及び地方の時代映像祭・平和賞を受賞しました。1993年、毎日新聞社発行の週刊誌『エコノミスト』(1993年4月6日号)にてコラム「敢闘言」の連載をスタートさせ、足掛け14年もの長期連載になります。
1994年、中央への進出に成功しつつあった日垣センセイは、長野時代からの松代大本営の取材の成果というか、前述の山根昌子氏の仕事を受け継いで『「松代大本営」の真実 隠された巨大地下壕』(講談社現代新書、1994年7月20日第1刷発行)を上梓。これによって洛陽の紙価を高めました。後に『週刊現代』編集長として日垣センセイに最後の連載を依頼する講談社の鈴木章一氏と知り合ったのも、同書がきっかけと考えられます。
しかし、この時期でも、日垣センセイはまだまだ無名の一ライターでした。テレビ・ラジオなどのメディアへの出演も確認されていません。それ以外で大きな転機となったのは……神戸児童連続殺傷事件を受け、弟さんの死因を「他殺」に書き換え始め、少年リンチ殺人のルポを発表するに当たって、「弟は少年事件で殺された!」という神話をデッチ上げ、犯罪被害者遺族を詐称するようになったことでしょう。この「神話」こそ、後の日垣センセイの「文化人」としての飛躍を促し、日垣批判を半ばタブーにしてしまうのですが。
尚、日垣センセイがベルリンの壁崩壊前後にドイツに留学していたという情報もありますが、これもまた日垣センセイの自己申告のみなので、真偽は不明です。
※第4部 飛翔篇(1999年〜2006年)
1999年、日垣センセイはベストセラー『買ってはいけない』シリーズへの批判記事「『買ってはいけない』はインチキ本だ」(『文藝春秋』1999年9月号)が高く評価され、翌2000年に第61回文藝春秋読者賞。2001年3月、「人物鑑定 佐高信とは何者か」(『諸君!』2000年10月号)で第7回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞・作品賞。2004年、『そして殺人者は野に放たれる』(新潮社)で第3回新潮ドキュメント賞など、数々の賞を受賞し、一気に頭角を現します。今となっては、いずれもインチキとデタラメを書き連ねたものであり、実績には程遠いペテン同然の仕事でしたが。
1999年10月には自らがホスト役のラジオ番組「サイエンス・サイトーク」がTBSラジオで放送開始。テレビ番組「ウォッチ! 」「トゥデイ」(TBS)でコメンテーターを務めるなど、複数の雑誌・新聞でも連載を抱え、一躍、論壇・ジャーナリズム界の寵児に上り詰めていきました。
また公式サイト「ガッキィファイター」を開設し、同名の無料メルマガ(後に有料化)の配信を開始するなど、常に時代を先取りしていました。今にして思えば、この時期の日垣センセイはまさに絶頂期であり、黄金時代でした。日垣センセイの信者が最も多く、誰もが無謬性を信じて疑いませんでした。神聖にして絶対不可侵のカリスマとして、メディア界に降臨していた言っても過言ではありません。
しかし、絶頂の陰では後の凋落に繋がる兆しもありました。すっかり有頂天になった日垣センセイは、喧嘩上等!と言わんばかりに次々とトラブルを引き起こすようになります。長野県知事に就任した田中康夫氏に接近し、同氏の評価を巡ってお世話になった信濃毎日新聞と決別。岩波書店とも疎遠になっていきました。それでも講談社、新潮社、文藝春秋などの大手出版社から重用され、当時の業界及び信者の評価は「そこにシビれる!あこがれるゥ!」と揺るぎないものでしたが、後年、映画評論家・町山智浩さんに返り討ちにされ、落魄する伏線でした。
著作活動でも、2006年頃からゴミ屑のようなビジネス書、自己啓発本が増え始めて筆も荒れ始めるようになりました。編集部がお膳立てしてくれるルポ関係の仕事とは異なり、売れっ子になって多忙になったため、自分でテーマを決めて本を書き下ろすのが億劫になってきたのもあるでしょう。
私生活でも2004年頃に父親が死去、2005年前後に長年連れ添った妻と離婚するなど、成人した子供たちからも距離を置かれ始めた感があります。
そして2006年11月、幻冬舎新書の創刊ラインナップとして『すぐに稼げる文章術』(幻冬舎新書、2006年11月30日第1刷発行)を出版します。これが後に重大な転回点となるとは、この時の日垣センセイも予想だにしていなかったでしょう。「バレなきゃ、盗用ではない」が日垣センセイの信条でしたから。
※第5部 乱離篇(2007年〜2008年)
2007年5月〜7月にかけて、日垣センセイは前年末に刊行した『すぐに稼げる文章術』(幻冬舎新書、2006年11月30日第1刷発行)で、山内志朗『ぎりぎり合格への論文マニュアル』(平凡社新書、2001年9月19日初版第1刷発行)からの盗用が発覚。平凡社が幻冬舎に抗議するなどの騒ぎになり、日垣センセイにも計り知れない大打撃を与えることになりました。
その後、日垣センセイは問題となった個所を修正した改訂版*2を上梓することで山内サイドと折り合いをつけたらしいですが、余程ショックでストレスが溜まったのか、2007年末で有料メルマガ「ガッキィファイター」とラジオ番組「サイエンス・サイトーク」を除く全ての媒体での連載を降板します。まさに絶頂からの転落。幸か不幸か、上記の盗用事件は、ほぼ同時期に発覚した唐沢俊一の盗用事件の陰に隠れてマスコミ沙汰にはなりませんでした。業界でもどれだけ問題になったかは不明です。
ともあれ、日垣センセイは、この時期はまだライターとしても文化人としても、致命傷になるようなダメージは受けていませんでした。2009年以降、日垣センセイは業界での人脈を生かして再起を図るようになります。
※第6部 回天篇(2009年〜2010年)
2009年7月、日垣センセイは旧知の仲である『週刊現代』編集長の鈴木章一氏を頼って、同誌で連載「なんなんだこの空気は メディア考現学」を開始。並行してツイッターも開設するなど、漸く沈滞状態から脱しようとします。岡田斗司夫のオタキングex(現フリックス)をモデルに年会費10万円の会員制クラブ「クレド」を立ち上げたのも、この頃からでした。
しかし、好事魔多しと言いますか、悪い意味でツイッターとの相性が良好らしく、ここでも数々のトラブルを引き起こし、SNS芸人として君臨。TBSラジオ「サイエンス・サイトーク」も降板して終了。業界でも次第に孤立し、「日垣隆、おかしいぞ」と疑心暗鬼の目で見られるようになります。
著作活動も低調であり、完全にビジネス書、自己啓発本のオンパレードになっていきます。やっつけ仕事ばかりで、当然、かつてのような人気も売り上げも無くなり、折からの出版不況もあって刊行点数もジリ貧になっていきます。
それでもツイッターでは表向き「常勝不敗」だったのですが……2011年、遂に最後の時がやってきました。
※第7部 落日篇(2011年〜現在)
日垣センセイは町山智浩さんにツイッターで因縁をつけて噛みつくも、徹底的な反撃に遭って惨敗。「どっからでもかかって来い!」という威勢とは裏腹に、衆人環視の下、無様な醜態を晒すことになりました。
この敗戦の影響たるや凄まじく、それまで日垣センセイに期待していた多くの信者の幻想を粉微塵に粉砕してくれました。止めとばかりに、2011年8月にはツイッターで第2の盗用事件も発覚*3。以後、日垣センセイに新たな仕事を依頼する編集者は誰もいなくなり、紙の新刊は『つながる読書術』(講談社現代新書、2011年11月20日第1刷発行)を最後に途絶え、『週刊現代』での連載も2012年7月いっぱいで終了。
その後、現在に至るまで日垣センセイはツイッター、FBに籠ってキャンキャン吠えているだけのオワコンに成り果てました。唐沢俊一や岡田斗司夫でさえ、複数の媒体で連載を抱え、テレビ出演などメディアでの露出があるというのに……。
以上、日垣センセイの個人史をざっと簡単にまとめてみました。検証の締めくくりとして、より精緻かつ詳細な当ブログ版「日垣隆年表」の作成を計画しています。遅くとも、来年までには上げたいですが。
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