KAFKAESQUE(日垣隆検証委員会)

主に作家の日垣隆、猪瀬直樹、岩瀬達也、岡田斗司夫、藤井誠二などを検証しているブログです。

贋本つくりー検証・日垣隆と新潮社の校正・校閲体制(補論)

東京ビッグサイトで開催されるコミックマーケット85にサークル参加します。

日時:3日目(2013年12月31日/火曜日)
サークル配置場所:西ホール ま23b
サークル名:カフカールナ!

サークルの詳細については、コミケカタログ(Web)なども御参照下さい。

・初めて当エントリーを読まれる方は「日垣問題の記録 〜 日垣隆 研究報告 〜」「日垣隆(Wikipedia)」「ガッキィスレまとめサイト@ウィキ」の御一読をおススメします。
・当ブログへの御意見・御感想は、下記のメールアドレスまで御連絡下さい。
kafkaesque1924@gmail.com


・ここのところ、日垣センセイは未発表原稿のお蔵出し……ではなく、過去の自著、記事、セミナー文字起こしなどをそのまま自炊したかのような電子書籍(?)をKindleで続々と出していますが、果たして誰が購読するのでしょう。特に粗筋を読んでいるだけで噴飯ものの『近未来小説 オリンピック・クライシス』『ブリスベーンに乾杯』など、せいぜい中学生の作文レベルの自作小説です。いくら連載ゼロ、新刊予定無しで出版界から総スカン状態とはいえ、苦肉の策でこんなお粗末な駄文を売りつけようとするなど、まさに貧すれば鈍するです。

どうせ出すならば、きちんと補足を入れる。或いは全編書下ろしなどを出せばいいものを、配信が途絶えがちなメルマガも含めて、ライターとしての命脈も尽きかけているようです。

・その日垣センセイのKindle本を【ぶらり旅】という方がAmazonでレビューしているのですが、これがまたお見事です。【懸垂百回】さんのレビューと並んで大いに参考になります。【ぶらり旅】さんは単行本の『ラクをしないと成果は出ない』(大和書房、2008年5月30日第1刷発行)にも秀逸なレビューを投稿しています。【ぶらり旅】さんには、これからも期待したいです。


藤原正彦、新潮社の校閲体制を語る。

本題。第3回新潮ドキュメント賞の選考委員の1人だった数学者・エッセイストの藤原正彦氏が、月刊誌『新潮45』(2013年11月号)P23-24にて、興味深いことを述べていました。

それから電子化して気軽に出版できるといっても、校閲の問題もあります。

(中略)

インターネットというのは、肝心のところで信用できない。

ただ、本の場合には校閲がきちんと機能するから、そういう心配はいりません。とりわけ新潮社の校閲は日本一、下手したら世界一です。ほとんど偏執狂としか思えないほど細かく調べてくる。それも、私が一日、二日かけてもわからなかったものを、彼らはたった二十〜三十分でぱっと探して出してくれます。これにはいつも感心しています。

そういう人たちのおかげで、本の信頼性は高まっていく。きちんとした出版社から出す本なら、著者、編集者、校閲者と三重の信頼性があります。

藤原正彦「世界に誇る日本の出版文化を壊すな」『新潮45』(2013年11月号)P23-24


藤原氏の無邪気な述懐によると、彼自身は業界でも定評がある新潮社の校閲体制*1に全幅の信頼を寄せており、第3回新潮ドキュメント賞の選考もほぼ丸投げに等しい状態で臨んでいたらしいことが伺えます。だからこそ、藤原氏は日垣センセイの『そして殺人者は野に放たれる』(新潮社)のペテンぶりに全く気が付かなかったようです*2。ある意味、杜撰で迂闊で軽率の極みですが……。

しかし、こうなると、他の選考委員の4人、柳田邦男氏、藤原新也氏、櫻井よしこ氏、柳美里氏にも同様の可能性があります。選考委員など、所詮は飾り物で、予め新潮社の編集者が自薦してきた本に、ハイハイとお墨付きを与えているだけの存在なのでしょうか。いずれにせよ、きちんと選考していたのかは、大いに疑問符が付きます。ただ単に面倒臭いから、お手盛り受賞を許していたのでは……と勘ぐってしまいます。



★参考資料

新潮社の校閲すごいっ!校閲のプロの仕事っぷりが話題 - NAVER まとめ

新潮社の校正・校閲のダメな例 - Togetter

そして殺人者は野に放たれる (新潮文庫)

そして殺人者は野に放たれる (新潮文庫)

贋金つくり (上) (岩波文庫)

贋金つくり (上) (岩波文庫)

贋金つくり (下) (岩波文庫)

贋金つくり (下) (岩波文庫)