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・日垣センセイが6月14日頃を境に、Facebookの投稿の公開範囲を「友達の友達」に限定するように設定を変更したらしく、それ以降の投稿が事実上の非公開になっています。
※付記:その後、「友達の友達」の公開範囲の設定を突如解除しており、現在はほぼ自由に閲覧できる(2013年7月14日9:11確認)。
※付記2:7月16日の投稿から、今度は公開範囲を「友達」のみに変えている(2013年7月17日22:01確認)。
因みに、最後の公開(?)と思しき投稿がこれです*1。
新たな試練を乗り越えたところに本物の達成感と幸福がある。代替不可能な人生とは、そういうものでしょう。現状維持が最大のリスクとなる時代に、すでに突入しています。いま脱稿した単行本は、すべて具体的なエピソードで語りつつも、本質は一貫してそこにあります。
出版まで、しばしのお待ちを。
2013年6月14日 20:12*2
……相変わらず、狼少年ばりの「新刊予告」でした。本当に執筆しているのやら。
●月刊誌『創』(2013年7月号)の佐野眞一盗用問題の特集記事
佐野眞一の盗用問題について、メディア批評誌『創』(2013年7月号)で、再び特集が組まれています。今回は佐野眞一本人による寄稿はありません。しかしながら、同誌編集長の篠田博之氏が「佐野眞一さん「盗用」問題をめぐる経緯と背景」(P44〜48)と題した記事の中で、佐野と猪瀬直樹氏との確執の「舞台裏(?)」を明らかにしています。篠田氏によると、実は盗用の対照表に該当するファイルを猪瀬氏も独自に作成しており、それを元に猪瀬氏から1時間近くもレクチャーを受けた経験があるという。時期的には、1995年に佐野の『巨怪伝』(文藝春秋)が第26回大宅壮一ノンフィクション賞にノミネートされた頃だったそうです。
そもそも、1993年の第24回同賞の選評で、選考委員の一人だった柳田邦男氏*3から指摘されるほど、佐野の盗用癖は当時の業界でもそれなりに有名だったとか。最も、深刻な問題にならなかった背景の一つとして、ライバルを蹴落とそうとする猪瀬氏の「政治性」が敬遠された可能性があると、篠田氏は指摘しています。
「政治性」云々の指摘はピントがずれているというか、百歩譲ってそうだとしても、盗用自体は許されない行為であることに変わりはありません。相変わらず、苦し紛れに論点をずらすことで何が何でも佐野を擁護しようとする篠田氏の偽善性が鼻につく内容でした。
とはいえ、篠田氏の証言が事実であれば、猪瀬氏も約18年以上前に佐野の盗用の確証を掴んでおきながら、一方の被害者である読者に対しては全く責任を果たさずにいたことが分かります。所詮、猪瀬氏は義憤(それも一面にはあるでしょうが)にかられて同業者に告発して回っていたのではなく、気に食わない旧友を追い落とすためだけの、いわばコップの中の闘争に過ぎなかったのではないでしょうか。或いは、自身も『ミカドの肖像』(小学館)で1987年に第18回大宅賞を受賞している以上、佐野を公に告発することで同賞の権威が傷ついて返り血を浴びることを懸念していたのか。それとも、佐野を重用する編集者や出版社から睨まれて、業界から干されるリスクがそんなに怖かったのか。
公の場での告発を見送り続け、この問題の被害者でもある読者への責任を一切果たさず、保身のために佐野を長年に渡って結果的に擁護していた点では、同誌に「今回の盗用問題で問われているものは何か」(P49)と、したり顔で手記を寄せている溝口敦氏も同罪と言えます。これでは、読者こそいい面の皮。「悪いのは何もかも佐野眞一。僕ちゃんたちは悪くはないもん!」的な態度で開き直っているようですが、責任の一端は潜在的な共犯者だった彼らにもあります。何故、公に告発するなら、もっと早くしなかったのか。機会など、いくらでもあったでしょう。この二人に、佐野を盗用問題で正義漢ぶって糾弾する資格は果たしてあるのか、大いに疑問です。
疑問と言えば、篠田氏にも気掛かりな点が一つあります。篠田氏は、上記の記事の他、同誌の「佐野眞一「盗用」問題とノンフィクションの現状」(P50〜59)という座談会でも司会として出席しているのですが……実は以前、佐野の盗用問題を特集した『創』(2013年4月号)においても*4、同問題に言及する際、荒井香織氏の名前を何故か一貫して出さないでいることです。寧ろ、荒井氏の存在自体をひた隠しに隠して、タブー視している印象さえ受けます。溝口敦氏については、しっかり言及しているのに……。
元々荒井氏は、2005年頃まで『創』編集部に勤務していたそうです。このことは、同氏と溝口氏による編著『ノンフィクションの「巨人」佐野眞一が殺したジャーナリズム 大手出版社が沈黙しつづける盗用・剽窃問題の真相 』(宝島NonfictionBooks、2013年5月6日第1刷発行) のP172及び巻末のプロフィールにも明記されています。
荒井香織
kaoru Arai
1977年生まれ。月刊『創』編集部を経て05年からフリーに。雑誌記事を執筆するほか書籍・ムック本の編集も手がける。猪瀬直樹氏の指摘をきっかけに佐野眞一氏の盗用問題を調査開始。『ガジェット通信』に「佐野眞一氏の『パクリ疑惑』に迫る」を連載。
P172荒井香織……あらい・かおる
1977年生まれ。月刊『創』編集部勤務を経て、2005年にフリーライターとして独立。雑誌記事を執筆するほか、書籍・ムック本の編集も手がける。猪瀬直樹氏の指摘をきっかけに、佐野眞一氏の盗用問題を調査開始。12年10月〜12月、ネットメディア『ガジェット通信』に「佐野眞一氏の『パクリ疑惑』に迫る」を連載。
荒井香織・溝口敦『ノンフィクションの「巨人」佐野眞一が殺したジャーナリズム 大手出版社が沈黙しつづける盗用・剽窃問題の真相 』(宝島NonfictionBooks、2013年5月6日第1刷発行)P172、巻末
尚、荒井氏は上記の編著P161〜162で「腰抜け応援団、メディア批評誌『創』編集長」と題し、古巣の上司(?)だった篠田氏を痛烈に批判しています。さらにツイッター上でも。
金曜日の佐野眞一問題勉強会に月刊「創」編集長が来場。質疑応答時に何を言っているのかよくわからない発言をゴニョゴニョしていたら、会場後方にいた女性から激しい野次が飛んだのは笑った。リアルな野次、久しぶりに聞いたなあ。打ち上げの飲み会で、野次った当人とおしゃべりしておもしろかった。
2013年6月16日 - 0:31*5
末端で働くフリーライターに原稿料を払わず滞納し続けている月刊「創」が、偉そうにジャーナリズムを語れるのか。私は2005年までこの雑誌の編集部で勤めていた。経営危機に陥る同誌の原稿料遅配を聞き及ぶにつけ、心から恥ずかしく思う。日銭を遅配されたら労働者(書き手)は暮らしていけない。
2013年6月16日 - 0:38*6
経営危機だから原稿料を払えないのであれば、最初からそう宣言すればいいのだ。現にそのような媒体は数多くある。媒体の心意気に賛同し、私も無料で原稿を書いたことがある。「創」はオンリーワンな媒体だし、応援したい気持ちもあるから定期購読している。早くまともな経営に立ち戻ってほしいものだ。
2013年6月16日 - 0:45*7
これらの荒井氏による批判にも、篠田氏は溝口氏からの批判とは対照的に現時点では悉くスルーしています。
いずれにせよ、佐野眞一の盗用問題。佐野を追及する側も、佐野に負けず劣らずアレなために、読者を完全に置き去りにした猿芝居の様相を呈しています。かつて日垣センセイの盗用に加担していた荒井氏*8。読者への視点を欠いたまま、自分たちを棚の最上段に上げて大騒ぎをしている猪瀬・溝口両氏。「水に落ちた犬は打て!」と便乗して商売を企んでいるだけの編著の版元の宝島社。そして、中立を装いつつ意味不明な佐野擁護を繰り広げる篠田氏。まさに全日本ブーメラン大会(fake)。今日の出版・ジャーナリズム界が、自浄能力ゼロに等しい惨憺たる実状を皮肉にも浮き彫りにしている気がします。
★参考文献
Amazon:荒井香織は,自身の「疑惑」については何も答えないの?
盗作事件史から考える佐野眞一の盗作疑惑事件 – REAL-JAPAN.ORG
「無断引用」問題をめぐる最初で最後の私の「見解」(『創』2013年4月号より)佐野眞一 - 月刊「創」ブログ
佐野眞一氏の「パクリ疑惑」に迫る | ガジェット通信 GetNews
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*1:日垣隆 新たな試練を乗り越えたところに本物の達成感と幸福がある。
*2:日垣隆 新たな試練を乗り越えたところに本物の達成感と幸福がある。
*3:因みに、後年、柳田氏は日垣センセイのペテン本『そして殺人者は野に放たれる』(新潮社)を第3回新潮ドキュメント賞に選んだ一人でもある。→ WOLF'S DEMAー検証・日垣隆『そして殺人者は野に放たれる』の評判 - KAFKAESQUE(日垣隆検証委員会)
*4:パクリ芸人春秋ー佐野眞一の盗用疑惑「言い訳」手記 - KAFKAESQUE(日垣隆検証委員会)
*5:Arai Kaoru on Twitter: "金曜日の佐野眞一問題勉強会に月刊「創」編集長が来場。質疑応答時に何を言っているのかよくわからない発言をゴニョゴニョしていたら、会場後方にいた女性から激しい野次が飛んだのは笑った。リアルな野次、久しぶりに聞いたなあ。打ち上げの飲み会で、野次った当人とおしゃべりしておもしろかった。"
*6:https://twitter.com/araikaoru/status/345928275304017921
*7:Arai Kaoru on Twitter: "経営危機だから原稿料を払えないのであれば、最初からそう宣言すればいいのだ。現にそのような媒体は数多くある。媒体の心意気に賛同し、私も無料で原稿を書いたことがある。「創」はオンリーワンな媒体だし、応援したい気持ちもあるから定期購読している。早くまともな経営に立ち戻ってほしいものだ。"
*8:THE UNLIMITED 佐野眞一vs荒井香織(+中島麻美)ー検証・日垣隆『すぐに稼げる文章術』盗用疑惑(補論C) - KAFKAESQUE(日垣隆検証委員会) 荒井香織、奴の本性ー検証・日垣隆『すぐに稼げる文章術』盗用疑惑(補論D) - KAFKAESQUE(日垣隆検証委員会)