パンドラ・ボックスー検証・猪瀬直樹「東京五輪招致舌禍事件」（その伍）

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・先日、発売された告発本『ノンフィクションの「巨人」佐野眞一が殺したジャーナリズム大手出版社が沈黙しつづける盗用・剽窃問題の真相 (宝島NonfictionBooks) 』について、ノンフィクションライターの藤井誠二氏が同業者の立場から絶賛していました*1。藤井氏は日垣センセイを「兄貴分」として慕い、日垣センセイの弟さんの死に関する虚言を鵜呑みにするわ*2、さらに日垣センセイの代表作『そして殺人者は野に放たれる』（新潮社）を無反省に賛美するわ*3、挙句は『秘密とウソと報道』（幻冬舎新書）を愛知淑徳大学の「取材学」と称する講義の教科書に使用するなど*4、いわくつきのライターです。

同世代の一線の書き手、安田浩一氏と今西憲之氏、そして西岡研介氏による、いわゆる「佐野眞一氏問題」についての鼎談を、ノンフィクションはどう書かれるのかという視点から、自戒を込めて読む。勉強になる。安田氏と今西氏は佐野氏のデータマンとしてはたらいてきた経験を率直に語っておられる。

2013年5月4日 - 17:43*5

これに対し、上杉隆ウォッチャーとしても名高いJohn Lemonさんが、藤井氏のスタンスを直接本人に問う以下のようなリプライを飛ばしています*6。

日垣隆氏が少年犯罪被害者遺族だと偽ってその立場から著述をしていることが検証されているサイトが幾つかあります。近しい方々はどう受け止めているのでしょう？職業倫理的には佐野氏より悪質だとおもうのですが。@seijifujii1965

2013年5月5日 - 12:57*7

藤井氏は上記のリプライに対し、何故か返答を控えています。そう言えば、藤井氏は日垣センセイが散々ツイッターで大暴れしていた頃も、日垣センセイをフォローしているにも関わらず、一貫してダンマリを決め込んでいました。但し、その合間には、こんなやりとりも*8。

すみません、届いてないみたいです。RT @hga02104: @seijifujii1965 ジンバブエやレソトやケニアから戻った日に、関空にてＴＶのコメント拝聴とのショートメール、見てくださいました？

2012年2月24日 - 15:40*9

「@hga02104」日垣センセイのツイッターアカウント、「@seijifujii1965」は藤井氏のツイッターアカウントのことです。

日垣センセイや藤井氏に限らず、佐野眞一、猪瀬直樹氏といい、ノンフィクション界は厚顔無恥の総天然色見本のようです。「お友達」の不祥事、スキャンダルに対して何故沈黙を続けるのか。特に藤井氏は、在特会などのヘイトスピーチには口を極めて非難しながら、日垣センセイが映画評論家の町山智浩さんの出自を殊更に差別的な文脈であげつらったヘイトスピーチに対しては、完全無視を決め込んでいます*10。一体どういう人権感覚なのでしょう。藤井氏は、日垣センセイの盗用事件についても何食わぬ顔でスルーしています*11。これこそダブルスタンダード、「他人に厳しく、身内（お友達）に甘い」の典型ですね。

尚、メディア批評誌『創』（2013年4月号）P106〜115に掲載された佐野眞一の盗用問題に対する「言い訳」手記が*12、下記のリンク先でも無料で全文閲覧できます。佐野本人は最近も『週刊文春』（2013年4月25日号）に書評を寄せるなど、ライター活動は健在のようです。

・元毎日・東京新聞記者でジャーナリストの古川利明氏が、ブログ『古川利明の同時代ウォッチング』にて、佐野眞一の盗用問題を追及しているライターの荒井香織氏に疑義を呈していました*13。

#で、「下」からの続きで、その明日（=４・２２）発売になる、溝口敦、荒井香織（元ガジェット通信）の共著による『ノンフィクションの「巨人』佐野眞一が殺したジャーナリズム　大手出版社が沈黙しつづける盗用・剽窃問題の真相』（宝島社）だが、ワシのカンなんだが、おそらく、この程度のハナシを穿り出したら、おそらく、ノンフィクションっていうか、この出版ギョーカイにおいては、「佐野眞一ひとりのモンダイ」で済むハナシではないような気がする。
　ま、そのガジェット通信で連載しておった荒井香織ってのは、ワシ、知らんし、その異様な執拗さについて、イケダモン大先生んところのガッカイ員である可能性を、今でも疑ってはおるんだが、でも、聞くところによると、この荒井ってのは、佐野眞一と同様、パクリ疑惑で、今、窮地に立たされておる、あの「日垣隆」の下で、手足として働いておったってんだよなあ。別に、佐野のそうしたパクリ体質を徹底糾弾するのは、それはそれで、全然、エエと思うんだが、「だったら、ぬあんで、日垣をほったらかしておるんだ?」なんだよな。そこが、ホンマ、胡散臭いっていうか、「世のため、人のため、この身をすべて捧げよう!」っていう、西郷どん的な、時代を根底から引っクリ返す「志」から発した仕事とは、とても思えんのだよな。

『古川利明の同時代ウォッチング』「三井環（元大阪高検公安部長）氏への「裏金公表阻止を狙った口封じ逮捕劇=冤罪事件」を徹底的に弾劾する」（2013-04-21 19:17）*14

#「上」の続きだが、この「佐野眞一ゴロシ本」の宝島NFのキモは、間違いなく、『ポスト』に連載しておった「化城の人」のパクリ疑惑だ。っていうか、それがすべてだと思う。だから、コイツをアレだけ執拗に、徹底的にヤレるってのは、ものスンゴイ、エネルギーっていうか、パワーを要する。それで言うと、あの荒井香織なあ。イケダモン大先生んところの「ガッカイ員」としての、「信心のパワー」なしに、アソコまでヤレるかって、ワシは思った。
　であれば、逆に、彼がガッカイ員でなかったとしたら、「ぢゃあ、いったい、どこから、アレだけの佐野攻撃のパワーが、出て来るんだよ?」って、正直、思ったな。それだけ、気合いが入りマクっておるっていうより、異様ですらある。だから、ワシは、荒井がガッカイ員である可能性を、今でも疑っておるんだ。
　だって、この佐野と同じレベルの「パクリ疑惑」だったら、荒井が手足として仕えておった日垣隆だってヤッとるんだから、それをスルーして、コレだけ佐野を執拗に追い詰めるエネルギーが、果たして、いったい、どこから出てきてるのか、だな。

『古川利明の同時代ウォッチング』「三井環（元大阪高検公安部長）氏への「裏金公表阻止を狙った口封じ逮捕劇=冤罪事件」を徹底的に弾劾する」（2013-05-05 18:03）*15

当ブログでは、『ガジェット通信』の他、タレントの水道橋博士氏の有料メルマガ『水道橋博士のメルマ旬報』でも佐野眞一の盗用問題を追及中の荒井香織氏が、実はかつて日垣センセイによる第1の盗用事件に関与していた共犯疑惑があることを繰り返し検証しています。ご参考下さい。

[荒井香織] - KAFKAESQUE（日垣隆検証委員会）

[日垣隆「盗用」] - KAFKAESQUE（日垣隆検証委員会）

●猪瀬直樹と日垣隆

本題。東京都知事・猪瀬直樹氏の放言に端を発する舌禍事件ですが、猪瀬氏はトルコ大使館を5月9日に訪問し、セルダル・クルチ駐日大使と面会して直接謝罪したとのことです。クルチ大使も「日本とトルコの友情は深い。両国の地理が近ければ、五輪も共同開催できるのに」と応じ、謝罪の受け入れを表明する「大人の対応」を見せたそうです*16。日本政府もIOC同様、既に不問の意向を表明しています*17。

因みに猪瀬氏の駐日トルコ大使への謝罪のニュースは、トルコでも5月10日付のジハン通信が報じています*18。記事の執筆者は東京特派員のトゥンジャイ・カラオウル氏であり*19、自身のツイッターでも「だけど、この謝罪は無駄ですね。東京オリンピックの可能性は既に随分と下がりましたから」と辛辣なツイートをしています*20。

猪瀬氏も流石に懲りたのか、あれから公式ツイッターでは無難で慎重な言い回しが目立つようになっています*21。

一方、ネット上では本件に関しての幾つかの秀逸なまとめサイトがあり、一読するだけで参考になります。

声に出して読みたい猪瀬直樹Tweet集(山本一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

猪瀬直樹東京都知事の5月2日会見は、全文・映像で見てこそだ（全文革命） - INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

……で、上記の山本一郎氏のまとめサイトから知ったのですが、「ツイッター魚拓「ツイッ拓」 @inosenaokiのツイッ拓」によって猪瀬氏の過去のツイートのログが閲覧可能です。「うわあ、こんな酷いことも言っていたのか！」と茫然とさせられます。具体的な突っ込みは既に山本氏がされているので割愛しますが、この前代未聞の舌禍事件はやはり起こるべくして起こったことを痛感します。

さて、日垣センセイと猪瀬氏が似た者同士で共通項も多いことを話題にしていましたが*22、改めて箇条書きでまとめてみました。

1.同郷出身（※長野県長野市出身）。

2.長野県長野高等学校OB（※猪瀬氏が先輩、日垣センセイが後輩）。

3.無駄にプライドが高い。

4.自己愛が強い（※猪瀬氏は自著をべた褒めした書評ツイートを頻繁にリツイートしていた。日垣センセイは、言うまでも無く……）。

5.下品で尊大で失礼な物言いを、歯に衣着せぬ率直な物言いと勘違いしている。

6.放言癖がある。

7.知見に間違い（ガセ）が多い。

8.自著に盗用疑惑がある。

……こうして並べていくと、何となく、P＆G（パクリ＆ガセ）の誰かさんも同類のような気が。

★参考資料

日垣問題の記録～日垣隆研究報告～: 弟（兄弟）