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※2012/10/12追記:エントリーを微修正しました。
・『日垣問題の記録』さんが、『敢闘言 さらば偽善者たち』(太田出版、1999年5月22日印刷/1999年5月28日初版発行)P37〜38の「第1章 ダイオキシン猛毒説の虚構」の「付記」における日垣センセイの虚言疑惑を検証しています。以下はそのエントリーのリンク先です。
日垣問題の記録 ~ 日垣隆 研究報告 ~: 日垣隆「ダイオキシン猛毒説の虚構」が国会で取り上げられた時の議事録
……例の「弟の死*1」以外でも、日垣センセイの虚言癖は、この頃から健在だったようです。
前回のエントリーで、日垣センセイが足利事件に興味を抱いて取材を始めたキッカケについて、「小林篤氏の足利事件ルポ(「集中連載―足利幼女殺人事件=「私はやっていない」と被告は叫んだ 控訴棄却―DNA「1/185の確率」」 講談社『現代』1996年8月号P232〜244)を読んだからでは?」と推論を展開しましたが、その補足です。
まず、足利事件に関する「DNA鑑定疑惑・菅家さん冤罪説」の立場でのルポ・番組などを時系列で改めて整理すると、次のようになります。
1994. 2.12 『法学セミナー』1994年3月号発売(三浦英明「ルポ足利事件 DNA鑑定の怪」P18〜25)
1994 11.5 『現代』1994年12月号発売(小林篤「一審有罪『足利幼女殺人事件』の謎を追え DNAは真犯人を明かしたか」P200〜218)
1996. 2.2 『揺らぐDNA鑑定』放送(NHK、ETV特集1996年2月2日)
1996. 7.5 『現代』1996年8月号発売(小林篤「集中連載―足利幼女殺人事件=「私はやっていない」と被告は叫んだ 控訴棄却―DNA「1/185の確率」」P232〜244)
1996. 7.11 日垣隆:東京拘置所にて菅家さんと初対面
1996. 7.22 『エコノミスト』1996年7月30日号発売(日垣隆「敢闘言 東京拘置所訪問記」P11)
1996. 8.5 『現代』1996年9月号発売(小林篤「(集中連載・後篇)足利幼女殺人事件の真実 控訴棄却―そして犯人は選ばれた」P312〜324)
1996. 10.6 『RONZA』1996年10月号発売(日垣隆「情報の技術 DNA型鑑定の陥穽」P144〜151)
僕は日垣センセイが足利事件の取材を始める契機になったのは、同事件に関して小林篤氏が『現代』(1996年8月号)に発表したルポだったと推測する上で、以下の論拠を示唆しました。
1.足利事件について最も早く「DNA鑑定疑惑・菅家さん冤罪説」を展開した三浦英明氏のルポ*2は、掲載誌が『法学セミナー』(日本評論社)という一般的にはマイナーな学術誌であり、従って日垣センセイが同誌に載った三浦氏のルポの存在を知らない、或いは存在を知っていても読んでいない可能性がある。そもそも掲載誌である『法学セミナー』の存在自体、知らなかったこともあり得る。
2.一方、当時の月刊誌『現代』(講談社)は(『法学セミナー』に比べれば)、それなりにメジャーな総合雑誌だった。それ故、日垣センセイは小林篤氏のルポが載った『現代』(1996年8月号)を偶然であれ、発売直後に読んだ可能性が高い。
これらの他にも、下記のような理由も考えられます。
3.日垣センセイは、小林篤氏が足利事件について「DNA鑑定疑惑・菅家さん冤罪説」のスタンスで(恐らく)最も早く『現代』(1994年12月号)に書いたルポ*3は、読んでいなかったか、または読んでいても興味が湧かなかった可能性がある。もしこの時点で、興味をそそられていたなら、直ちに同事件の取材に動いていてもおかしくない。しかし、日垣センセイが実際に取材を始めたと推定される時期は、小林篤氏による足利事件の実質的な第2弾のルポ*4が掲載された『現代』(1996年8月号)の発売直後である。
4.同様に、日垣センセイはテレビ番組『揺らぐDNA鑑定』(NHK、ETV特集1996年2月2日)も視聴していないか、視聴していても無関心だった。例によって、番組そのものを知らなかった可能性がある。
これらを踏まえて再考しても、やはり日垣センセイが足利事件に興味を惹かれて取材を始めた転機となったのは、『現代』(1996年8月号)の小林篤氏の同事件のルポと推察されます。
尚、日垣センセイが月刊誌『WiLL』(ワック、2009年8月号)に発表した「足利事件 冤罪の構図」(P62〜81)を、日垣センセイの親友だった(現在は不明)ジャーナリストの有田芳生氏*5が、自身のブログのエントリーにて、センセイの虚言を鵜呑みにして大絶賛しています。また日垣センセイを「兄貴分」と慕っていたノンフィクションライターの藤井誠二氏も、足利事件に関してデタラメを書き連ねた問題ありまくりのガセ本である『秘密とウソと報道』(幻冬舎新書、2009年7月30日 第一刷発行)を、何と愛知淑徳大学の「取材学」と称する講義の教科書に使っていたそうです*6。藤井氏の「取材学」の教科書リストを見ると、「12.『知的ストレッチ入門』日垣隆(大和書房)2006初版、28.『情報の「目利き」になる!』日垣隆(ちくま新書)2002初版、46.『秘密とウソと報道』日垣隆 (幻冬舎新書) 2009初版、71.『天才のヒラメキを見つけた!』日垣隆(WAC)、81.『売文生活』日垣隆(ちくま新書)2005初版」と『秘密とウソと報道』(幻冬舎新書)も含めて日垣センセイの著作が計5冊もあります。藤井氏は日垣センセイの著作が大のお気に入りだったようですが……よりにもよって、ガセ本を「取材学」の教科書に使うとは、最大級のブラックジョークです。藤井氏は、日垣センセイの「弟の死」の嘘八百にも騙されていました*7。有田芳生、藤井誠二両氏のメディアリテラシーはどうなっているのでしょうか……。
★参考資料
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*1:[日垣隆「弟の死」]記事一覧 - KAFKAESQUE(日垣隆検証委員会)
*3:小林篤「一審有罪『足利幼女殺人事件』の謎を追え DNAは真犯人を明かしたか」
*4:小林篤「集中連載―足利幼女殺人事件=「私はやっていない」と被告は叫んだ 控訴棄却―DNA「1/185の確率」」
*5:有田芳生氏と日垣センセイは、角川書店『本の旅人』(2002年1月号)P20〜24の対談「何でも話して野郎」でも交流ぶりが伺える。またtwitterでも。→ 日垣隆(T-Higaki) on Twitter: "@aritayoshifu 有田さん。入手しがたい中島みゆきコンサートのチケット、本当にありがとうございました。しかも最高の席で。ここのところCDを聞き続けていましたが、声量がむしろ増している感すらあり。ライブはいいですね。「皆様の人生に拍手を」と言って歌いだした「時代」で陥落。" 有田芳生 on Twitter: "日垣さんは優しい人だけどなあ。 RT @ItoShinya: @aritayoshifu 有田さんの政治姿勢やジャーナリストとしての発言など、尊敬できることばかりなのですが、唯一納得がいかないのは、有田さんが日垣隆さんを尊敬されていることです。"
*6:http://ameblo.jp/fujii-seiji/entry-10507921618.html 「取材学」授業のために準備した本。
*7:The History God Only Knowsー検証・日垣隆「弟の死」の謎 - KAFKAESQUE(日垣隆検証委員会)