KAFKAESQUE(日垣隆検証委員会)

主に作家の日垣隆、猪瀬直樹、岩瀬達也、岡田斗司夫、藤井誠二などを検証しているブログです。

狂犬はP&Gの夢を見るか?ー検証・日垣隆「足利事件・DNA鑑定レポートの虚実」(その壱)

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※2012/11/24追記:エントリーを更新しました。日垣隆電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』(講談社、2011年4月28日第1刷発行)P29〜30の記述を追加。


日垣隆足利事件 爆弾レポート」

日垣センセイは、1990年5月12日、栃木県足利市で起きた足利事件について、菅家利和さんを「犯人」と断定したDNA鑑定の在り方に疑問を投げかけ、菅家さん冤罪説を早くから提唱してきました。

実際、日垣センセイ自身、facebookにて、次のように語っています。

たとえば同書*1の中の第19章にある、足利事件の冤罪を、当時のマスコミ媒体のなかで断言したのは私だけでした。朝日新聞の雑誌*2で発表したものなので、連載であるにもかかわらず、掲載に1カ月ストップがかかったくらいです。DNA型鑑定で犯人の型は10億人に1人などと全マスコミは垂れ流していたのですが、それも大学のPCRで私を含めた数名のサンプルをとり、そのなかの一人が「犯人」と一致。これらも含めて様々な証拠により、朝日新聞も掲載せざるをえなくなったという経緯があります。
2011年10月1日 5:25

アマゾンのレビュアー*3は、警察の暴行や暴言も、私は菅家さんからしかとっていないはず、と書いていますが、まさにそれこそレビュアー氏の推測でしかありません(笑)。幾重にも情報源があります。実際、無罪確定後、栃木県警本部長はその件も含めて謝罪したではありませんか。あの文章が公表されなければ、菅家さんの無罪はありえなかったのですよ。そのことを脇に置いて、しかも菅家さんにも警察にも科警研にも充分に取材した私の文章に対して、「警察が暴言や暴力をはたらいたのは菅家さんしか情報源がないはず」などと文句をつけることに、彼の人間性を疑います。
2011年10月1日 5:30

こういう人は相手にしたくないのですが、皆さんのようにリテラシーの高い方々ばかりではありません、残念ながら。星一つにするよう町山智浩*4という方がツイッターで煽っており、その煽動にのせられて、星一つにして喜ぶ。リテラシーの高い方は、ご自分で判断すると思いますが、そうでない人たちは買わなくなってしまうのも事実です。私は、このような行為を笑い飛ばしたいと思いつつ、匿名による重大な病であるとも強く感じでいます。
2011年10月1日 5:35

facebook2011年10月1日


また、『秘密とウソと報道』(幻冬舎新書、2009年7月30日 第一刷発行)P121〜136の「第七章 足利事件ー誰が捏造したのか」でも、以下のように断言しています。

私はかつて「論座」(96年8月号)*5で、菅家さん逮捕・起訴は完全に間違いであると断定したことがある(『情報系 これがニュースだ』文春文庫、第19章)*6。自慢しているのではない。捜査や司法のド素人である私のような者でも、先入観なしで素直に見聞すれば、これが冤罪であることにすぐ気がつけたはずだーという点を強調したいのである。

日垣隆『秘密とウソと報道』(幻冬舎新書、2009年7月30日 第一刷発行)P122


さらに、『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』(講談社、2011年4月28日第1刷発行)のP29〜30、P108〜109でもこう発言しています。

さらに言えば、この『情報の技術』*7という本は、後々まで「95年にすべてを予測していたのはすごい」と言われた本でした。自分で言うのもアレですが、「そうだろ?」と思います。

足利事件菅家利和さんの冤罪説は、当時はほとんど誰も言っていなかった。私しかもっていない証拠物だってある。科捜研との対話もそう。とにかく、当時、冤罪だと言い切った唯一の公刊物だったのです。
P29〜30


どの新聞もテレビも、例えば足利事件でもそうだったが、あとで冤罪だと騒ぎたてられる15年近く前(事件直後)に、できるだけ完璧な方法で冤罪を立証しておくのが我々モノカキの流儀だろう。

冤罪が確定直前になって私のルポをパクって、つまり私たちフリーが13年半前に月刊誌や単行本で完璧に実証し終えていたものを平然とパクって“特番”なるものを連日つくった元「FOCUS」記者の清水潔氏(現・日本テレビ)や、まるで自分たちが独自調査をしたかのように毎日の紙面を埋め続けた読売新聞記者ほかの皆々様、お仕事ほんとに楽しいですか?
P108〜109

日垣隆電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』(講談社、2011年4月28日第1刷発行)P29〜30、P108〜109


そして、日垣隆『情報への作法』(講談社プラスアルファ文庫、2011年9月20日第1刷発行)P4〜7の「文庫本のためのまえがき」でも下記の通り書いています。

飛んで第十九章は、掲載にかなり難渋したものです。朝日新聞を始め、すべての大メディアは一つの例外もなく足利事件の犯人を菅家利和さんと決めつけ、「最終兵器としてのDNA型鑑定」という、同じ型は数億人に一人か数十億人に一人しかないと断じたデタラメ報道が科警研の言うままに垂れ流されました。

読者の皆様も、そしてデッチ上げたご本人たちも、きっと覚えておられますね。

二〇一〇年三月、再審の判決公判において、裁判長は菅家さんに対して、「当時のDNA型鑑定に証拠能力はなく、自白も虚偽であり、菅家さんが犯人ではないことは誰の目にも明らか」として無罪判決を言い渡しました。

その全証拠は、十五年ほど前に私が本書に(当初は月刊誌に)克明に解き明かしたとおり、逆転無罪とその報道には、ただ一つの新しい視点も入っておらず、自分で言うのも何ですが完璧な仕上がりとなっています。

日垣隆『情報への作法』(講談社プラスアルファ文庫、2011年9月20日第1刷発行)P6


日垣センセイによると、足利事件についてマスメディアで、最初にDNA鑑定への疑念から菅家さん冤罪説を提唱したのは自分である、とのことです。

しかし……その詳細だけでなく、他メディアの報道や関連書籍などを調べてみると、明らかにおかしな点が多々あるのです。



足利事件のレポートの初出は、月刊誌『RONZA』1996年8月号ではなく、同誌1996年10月号の間違い!

まず日垣センセイは、大前提からして間違えています。日垣センセイの足利事件レポート「情報の技術 DNA型鑑定の陥穽」が月刊誌『RONZA』(朝日新聞社)に掲載されたのは、日垣センセイが『秘密とウソと報道』(幻冬舎新書、2009年7月30日 第一刷発行)P122で主張する96年8月号ではありません。同レポートが同誌に掲載されたのは、同年10月号P144〜151です。このことは、同誌のバックナンバーを検索すれば、一目瞭然です。同年8月号に載っていたのは日垣隆「情報の技術 病原遺伝子を追え」(P144〜151)です。

その後、件のレポートは「DNA捜査の落とし穴」と改題・加筆修正され、日垣隆『情報の技術―インターネットを超えて』(朝日新聞社、1997年10月20日第1刷発行)の第19章P308〜324に所収されています。同書を改題・文庫化した『情報系 これがニュースだ』(文春文庫、2001年3月10日第1刷)P371〜390、改題・再文庫化した『情報への作法』(講談社プラスアルファ文庫、2011年9月20日第1刷発行)P365〜383にも「第19章 DNA捜査の落とし穴」はあります。

念のため、『秘密とウソと報道』(幻冬舎新書、2009年7月30日 第一刷発行)P121〜136の「第七章 足利事件ー誰が捏造したのか」の元となったと思われる月刊誌『WiLL』(ワック、2009年8月号)に掲載された日垣隆足利事件 冤罪の構図」(P62〜81)を調べてみると、ここでも「一九九六年八月号」と明記されていました。

およそ一三年前に深く悩みながら書いた原稿は、まだ創刊されて二年近くしか経っていない『論座』に掲載されたものだ。

(略)

創刊号から、「情報の技術ーインターネットを超えて」という連載で毎月執筆をしていた。その第十九回目として、一九九六年八月号に「DNA捜査の落とし穴」(本号*8に再録)を書いた。

『WiLL』(ワック、2009年8月号)日垣隆足利事件 冤罪の構図」P78


何のことはありません。日垣センセイは既に上記の雑誌(『WiLL』)掲載時点で、『RONZA』1996年10月号に発表した足利事件レポート「情報の技術 DNA型鑑定の陥穽」を、同誌1996年8月号に発表していたと完全に勘違いしているのです。しかも、原題の「DNA型鑑定の陥穽」まで覚えていない可能性も……。単なる記憶違いとも考えられますが、自分が過去に書いた記事の掲載誌の号数を失念するとは、信じ難い凡ミスです。『WiLL』編集部も幻冬舎校閲が杜撰過ぎます。現物をちゃんと確認したのか。中でも幻冬舎は『秘密とウソと報道』(幻冬舎新書、2009年7月30日 第一刷発行)が刊行される約2年前、『すぐに稼げる文章術』(幻冬舎新書、2006年11月30日第一刷発行)で盗用が発覚してトラブルになっていたにも関わらず……*9



★参考資料

足利事件 - Wikipedia

http://www.shimotsuke.co.jp/special/ashikaga-jiken/

Amazonレビュー:二番煎じ(2回目)

Amazonレビュー:で,結局なにが言いたいの?

情報系 これがニュースだ (文春文庫)

情報系 これがニュースだ (文春文庫)

情報への作法 (講談社+α文庫)

情報への作法 (講談社+α文庫)

秘密とウソと報道 (幻冬舎新書)

秘密とウソと報道 (幻冬舎新書)

電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。

電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。

*1:日垣隆『情報への作法』(講談社プラスアルファ文庫、2011年9月20日第1刷発行)。日垣隆『情報の技術―インターネットを超えて』(朝日新聞社、1997年10月20日第1刷発行)を改題・再文庫化したものである。

*2:月刊誌『RONZA』(朝日新聞社)、後に『論座』と雑誌名をローマ字から漢字へと表記を変更。現在は休刊。

*3:Amazonレビュアーの【懸垂百回】さんのこと。懸垂百回さんによる該当レビュー→Amazon CAPTCHA

*4:言うまでもなく、町山智浩さんは、そのようなことは一切していない。逆に日垣センセイは頻繁にやっている。→ 日垣問題の記録 ~ 日垣隆 研究報告 ~: 『情報への作法』Amazonレビュー自作自演騒動 日垣問題の記録 ~ 日垣隆 研究報告 ~: アーサー⇔トキワ荘Amazonレビュー事件 日垣問題の記録 ~ 日垣隆 研究報告 ~: トキワ荘⇛懸垂二百回 Amazonタグ・コメント追加事件

*5:当時の雑誌名はローマ字表記の『RONZA』だった。

*6:日垣隆『情報の技術―インターネットを超えて』(朝日新聞社、1997年10月20日第1刷発行)を改題・文庫化したものである。第19章は、同書(『情報系〜』)P371〜390にある。

*7:日垣隆『情報の技術―インターネットを超えて』(朝日新聞社、1997年10月20日第1刷発行)のこと。

*8:『WiLL』(ワック、2009年8月号)に再録された足利事件のレポートには「DNA捜査の落とし穴」(P62)という単行本・文庫化された時の改題がつけられている。『RONZA』(朝日新聞社、1996年10月号)掲載時点での原題は「情報の技術 DNA型鑑定の陥穽」である。

*9:キャッチャー・イン・ザ・パクリー日垣隆『すぐに稼げる文章術』盗用疑惑 - KAFKAESQUE(日垣隆検証委員会)