・初めてこのエントリーを読まれる方は「日垣問題の記録」、「日垣隆(Wikipedia)」、「ガッキィスレまとめサイト@ウィキ」のご一読をおススメします。
・日垣隆の弟さんの死因に関して、その真相をご存知の方からの情報提供をお待ちしています。下記のメールアドレスまでご連絡下さい。
kafkaesque1924@gmail.com
※2012/8/9追記:エントリーを更新しました。渡部昇一の項目を追加。
●小谷野敦も日垣隆『そして殺人者は野に放たれる』(新潮社)を評価していた……。
Amazonレビュアー【懸垂百回】さんからAmazonレビュー:感情的対立を煽るだけの悪しきジャーナリズムのコメント欄で、評論家の小谷野敦氏が共著『刑法三九条は削除せよ!是か非か』(洋泉社、2004年10月21日初版発行)において、日垣センセイの『そして殺人者は野に放たれる』(新潮社)を評価しているとご指摘がありました(【懸垂百回】さん、ご指摘ありがとうございます)。
念のため、現物を確認してみたところ、『刑法三九条は削除せよ!是か非か』(洋泉社、2004年10月21日初版発行)にある小谷野敦「新論・復讐と刑罰」(P48〜70)の論考で、小谷野敦氏は『そして殺人者は野に放たれる』(新潮社)と日垣センセイに言及しています。そのまま引用するには量が膨大になるために省きますが、いずれも肯定的な文脈で本書*1と日垣センセイの双方を高く評価していました。
●渡部昇一も、やはり……
さらに評論家・英語学者の渡部昇一氏も、日垣センセイの別の著作『怒りは正しく晴らすと疲れるけれど』(ワック、2009年8月8日初版発行)のP284〜331にて【終章 「知的生活の方法」再び の巻】と題し、日垣センセイ本人と対談しているのですが、その中で次のように本書を絶賛していました。
渡部 (略)日垣さんの場合、佐高信氏をコテンパンにしたのは痛快でしたし、「新潮ドキュメント賞」*2を受賞された『そして殺人者は野に放たれる』(新潮文庫)*3は刑法三十九条問題を語る時の金字塔的な著作です。しかしそのような著作がなかったとしても、もはや日垣さんに喧嘩を売るバカはいないと思いますが(笑)。
日垣隆『怒りは正しく晴らすと疲れるけれど』(ワック、2009年8月8日初版発行)P303〜304
※初出・『WiLL』(ワック、2008年2月号)
日垣センセイが第3回新潮ドキュメント賞を受賞したのは、正確には『そして殺人者は野に放たれる』の文庫版ではなく単行本だという事実誤認はもとより、「刑法三十九条問題を語る時の金字塔的な著作です。」と太鼓判を押しているのには、失笑を禁じえません。本書のP&G(パクリ&ガセ)に全く気付いていないとは、不見識の極みにも関わらず……*4。流石はかつて『週刊文春』誌上の連載エッセイ「古語俗解」で、優生思想やナチズムを公然と賛美しただけのことはあります*5。
元々、渡部昇一氏は日垣センセイの大ファンだったそうで、別の部分ではわざわざサインまでねだっています。
渡部 私は日垣さんの本が好きなので、ほとんど全部読んでいるのですよ。日本に日垣さんのような偽善を暴く評論家が出たということを嬉しく思っています。この『知的ストレッチ入門』(大和書房)も編集者から送ってもらって読んだのですが、すみませんがこれにサインしてください。
日垣 え?
渡部 ここにペンもありますからお願いします。
日垣 しかも筆ペンですか。渡部さんは書家でもありますから、ちょっと意地悪な感じです(汗)。
渡部 ありがとうございます。
日垣隆『怒りは正しく晴らすと疲れるけれど』(ワック、2009年8月8日初版発行)P325〜326
※初出・『WiLL』(ワック、2008年2月号)
渡部昇一氏のはしゃぎぶりは、痛々しくて読むに堪えません。
……というか、日垣センセイの著作を「ほとんど全部読んでいる」のだったら、せめて日垣センセイの弟さんの死因に関する記述の矛盾に、気付くべきでしょう。ほとんど全部読んでいて、これさえも気付いていないとしたら、骨の髄からの情報弱者。気付いていながら黙っていたのならば、相当な厚顔無恥ですが……。
●日垣隆「受賞記念エッセイ」
また日垣センセイは単行本が2004年度の第3回新潮ドキュメント賞を受賞した際、「受賞記念エッセイ」を同賞の選評も掲載された『新潮45』(2004年10月号)のP110〜112に発表しているのですが、その中で次のように述べている部分があります。
刑法三九条がらみの判例をほぼすべて集め、精神鑑定書を如何なる機関より多く蒐集し、律令時代にまで遡り、諸外国へも出向き、現在進行形の裁判を傍聴し続け、可能なかぎり関係者に会いました。
「受賞記念エッセイ テーマを探すだけなら必要のないこと」(『新潮45』、2004年10月号)P112
その成果が、P&Gを満載したトンデモ本たる本書なのか……。読んでいて、思わず脱力感に見舞われた記述でした。日垣センセイの大言壮語というか、虚言癖はこの頃も健在だったようで。
★参考資料
Amazonレビュー:感情的対立を煽るだけの悪しきジャーナリズムのコメント欄
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